五反田病院では、令和7 年10月15日に各部署の管理者を対象とした教養研修を実施いたしました。今回の研修は、日々の医療現場で求められる「心の整え方」を学ぶことを目的に、芸術家・一木晋一先生を講師にお招きし、「香道」の体験を通じた特別な研修を行いました。会場は、カフェ blossom にて、落ち着いた空間の中で実施されました。
一木先生には、先月も当院デイケアにて華道体験の講師を務めていただき、利用者の皆様からも大変好評をいただいております。今回は、その続編とも言える形で「香道」に焦点を当てた内容となりました。
香道では、「香りを嗅ぐ」のではなく「香りを聞く」と表現します。白檀や龍脳といった天然の香木を炭火で温め、その繊細な香りを五感で味わうことで、自身の内面と向き合う時間が生まれます。研修中、参加者からは「どこか懐かしい記憶が呼び起こされた」「香りの変化を楽しむことで新たな感覚に気づけた」などの感想が聞かれました。
特に印象的だったのは、「心が整わなければ、香りの本質には気づけない」ということです。これは、私たち医療従事者にとって非常に大切な視点です。日々の診療や患者対応においても、心を整え、相手の“声なき声”に耳を傾けることが求められます。
今回の体験を通じて、職員一人ひとりが、より深い“傾聴”の姿勢を再認識し、今後の業務や患者様との関わりに活かしてまいります。