
患者さんに安心して受診していただくために
患者さんやご家族にとって、出来るだけ不安や苦痛、負担が少ない診療を心がけています。受けていただく検査や治療につきましては、医療者からの押し付けではなく、患者さんが自身の価値観によって「意思決定」できるお手伝いをします。そのために患者さんが十分に理解し納得していただけるよう、分かりやすい説明に努めています。
消化器内科について
消化器とは食べ物の消化、吸収、排泄に関わる臓器のことです。具体的には食道・胃・小腸・大腸からなる消化管と、肝臓、胆道(胆嚢・胆管)、膵臓からなります。
これら消化器に関わる病気の診断、治療を行うのが消化器内科です。
消化器に生じる病気について
消化器に生じる病気は多岐にわたります。大きく炎症性疾患、腫瘍性疾患、機能性疾患に分けられます。
①炎症性疾患:逆流性食道炎、ピロリ菌感染、胃炎、腸炎、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)、肝炎、胆石(胆嚢結石、胆管結石)、胆嚢炎、胆管炎、膵炎、虫垂炎、大腸憩室炎など
②腫瘍性疾患:胃ポリープ、大腸ポリープ、胃がん、大腸がん、小腸がん、胆管がん、膵臓がん、肝臓がんなど
③機能性疾患:便秘、機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群など
次のような症状がある時には、消化器にかかわる病気の可能性があります。遠慮なく消化器内科を受診してください。
- 食欲がない
- 体重が減った
- 身体がだるい、きつい(倦怠感)
- 口内炎ができた
- 胸焼けがする
- ゲップが度々でる
- 食事が喉や胸のあたりにつまる感じがする
- 喉に酸っぱいものが上がってくる(呑酸)
- 床に就くと空咳(痰を伴わない咳)がでる
- 胃の辺りやお腹が痛む(腹痛)
- 体を動かさないのに背中が痛む(背部痛)
- ムカムカと吐き気がする、吐いた(悪心・嘔吐)
- 通じが出にくい(便秘)
- 通じが緩い、水みたい(下痢)
- 眼や皮膚が黄色い(黄疸)
- 吐物に血液が混ざっていた、吐物が焦げ茶色だった(吐血)
- 通じに血液が混じっている、墨のような真っ黒な便が出た(血便、下血)
- お腹が張る(腹満感、腹水)
自覚症状は無くても、健康診断や検診で以下の異常を指摘をされましたら 消化器内科への受診をお勧めします。
- 胃のバリウム検査(胃透視)での異常
- ピロリ菌陽性
- 検便で潜血が陽性
- 採血検査で肝機能の異常
- 腹部超音波検査での異常所見
消化器内視鏡について
消化器内科では内視鏡を用いた検査・治療を専門的に行います。
当院では患者さんが内視鏡検査を少しでも楽にかつ安全に受けていただくために、日々スタッフ一同が器機や環境の整備、技術の向上に努めています。
「できればカメラの検査は受けたくないな」と来院された患者さんに「これならまた受けてもいいな」と言っていただけることを目指しています。
当院で行える内視鏡検査には、以下のものがあります。
- 上部消化管内視鏡検査(胃カメラ):食道~胃~十二指腸の病気の発見・診断、ポリープ切除、異物除去、止血術等を行います。
- 下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ):大腸の病気の発見・診断、ポリープ切除、止血術等を行います。
- 内視鏡的逆行性膵胆道造影法(ERCP ; endoscopic retrograde cholangiopancreatography):十二指腸スコープを用いて、胆管や胆嚢、膵臓や肝臓のの病気に対する診断や治療を行います。
- 胆管や膵臓の腫瘍に対する細胞・組織採取などの精密検査
- 胆管結石や膵石の除去
- 腫瘍や胆石により胆汁が流れなくなり出現する、閉塞性黄疸や胆管炎に対するステント留置術